アイディア

と、思いきや。
1つアイディアが浮かんだ。
全体に紙を貼ろうとしているから大変なのだ。ダンボールが見えてもいいから、紙を切り抜き模様のように貼っていったらある程度ましになるのではないか→白と黒の紙を丸型に切り抜き、適当に貼っていけば結構かわいらしい外側になるのではないか。
必死なので思いついたアイディアには即飛びつけという感じだった。
そこでふと気がつく。平らな面はそれでもいいが、板のはじはどうしたらいいだろうか。
結局はテープで止めてしまう部分だが、何もしないとただダンボールがくっついているだけにみえる。それでは汚い。
そこで、色のテープでダンボールのまわりをくるむことにした。
白く塗る予定だったものには、白いテープで周りを囲い、黒は黒いテープ。平面の部分には白と黒のドット柄の模様。
それでなんとかなりそうな気がした。




そこでまず、テープ売り場にむかった。白と黒のテープを探す。ガムテープがあったが、それよりももっと表面がきれいなクラフトテープというものが見つかった。幅はガムテープと同じ。これぞ私の探していたものだったが、黒が見当たらなかった。
ドキドキして店員さんに聞いてみると「在庫切れです」と言われてしまった。
ここまで来たのに!と思わずにいられない。そんな納得いかない理由でひきさがるわけにはいかない。
しかし、ないものはないのである。しばらくぐずぐずしていたが、先に紙を買おうと文具売り場に行ってみた。
紙を探していると、目の前になぜか私の求めていたクラフトテープの白と黒があった。
美術の材料を扱うコーナーだったので、そういうものが置いてあったようだ。もう有頂天である。

モゾウシ

まず思いついたのは模造紙を貼ることである。壁紙のようになればいいと思ったし、安く済むのではないかと考えた。
ダンボールも紙なのに。紙に紙を貼って、何がやりたいんだ、私。
と、自分に突っ込む余裕すらもはやない。


模造紙のコーナーに行くと、それぞれの模造紙を小さく切ってまとめた見本がたくさんおいてあって、その中から選んで注文できるようになっていた。
こんなに模造紙の種類があると思っていなかった私はまたもパニックになってしまった。
とにかく、白と黒の紙を見つけ出し、素材、大きさ、値段のちょうどよいものはないか探していった。
値段は安いがちゃちな紙、素材はよくてもお高い紙、値段も素材も手ごろなのに大きさが妙であわない紙。
これだというものになかなか出会うことができなかった。
よく考えれば、紙を貼るには糊やテープが必要で、しかもこれも素人では難しそうなことだった。
塗装もダメ、紙もダメ。
また挫折か・・・・。

塗装

次の日(11月3日・本番1日前)東急ハンズに塗装用のものを買いに行った。この企画をやりだしてから、2日に1回は東急ハンズに顔をだしている気がする。
目的のコーナーに到着し、スプレーラッカーを手に取る。もちろん白と黒。
白はツヤありがいいかしら、ツヤなしがおしゃれかしらなどとうきうき考える。
すでに落とし穴に落ちていることに全く気づかない。

結局ツヤなしを選んだが、ここで初めてある疑問を抱く。(塗る範囲が広いからスプレー缶1本じゃ足りないかもしれない

そしてようやく1本のスプレー缶で塗れる範囲に注目したのである。
・・・・目が点になった。缶には「0.9m〜1.3m」と書いてあったのである。
一瞬で理解できず、もう一度見直した。何度みても間違いではない。
このままだとダンボールの板の半面を塗っただけで1本使ってしまうことになる。
ダンボール板1枚を塗るのに缶2本。それが20枚あるから・・・40本。
もう困惑などではなく恐怖である。
思いがけぬトラブルに遭遇して、軽いパニックになる私。店員さんを捕まえて、もう一度確認してみる。
店員さんの言葉は助けになるどころか、私をさらに恐怖に追いやった。「ラッカースプレーは飛び散るから、
広い範囲を塗るのには適してないですよ」
私は広く塗りたいんです、と主張すると、ならばペンキではどうかと進められた。
ペンキの並ぶ棚の前でしばし悩む。本気でペンキを使おうかと思ったが、デメリットの方が多い気がしてやめた。
乾くのに時間がかかりそうだし、素人が塗ってもきれいに塗れなさそうだ。しかも服も場所もかなり汚れる。
そんなリスクを冒すくらいだったら、何か違う案を考えた方がよさそうだった。
ない知恵をしぼりにしぼって必死に考えた。

1日の終わり

中の問題が解決し、今度は外側の問題解決に乗り出す。
このままではただのダンボールの箱である。雑だし、全くアートが感じられない。
そこで、ダンボールに色をつけることにした。
当初、私は真っ白の壁にしようと考えていた。しかし、中身が白黒なのに外側が真っ白ではなんだか味気ない。
ならば、白黒交互の壁にすればいいのだと思いつく。なんてアートちっく。
塗るのはラッカースプレーを使えばいい。問題になるのは、乾かす時間と塗る場所。しかしそれも、早い時間に
塗って学校の人のあまりこない場所に置いておけば解決することだった。
ここまで考えて、このダンボールの家の未来が少し開けた気がしてほっとした。
かなり安易である。ここでもう少し考えればよかったのである。しかし満足した私はもう塗装のことは気にしなかった。


一日頑張ってもう崩れかけているダンボール部屋の片付けに入る。
養生テープをはがし(きれいにはがそうと試みるが失敗)ダンボールの板にする。
それから、今日最後の作業にとりかかった。
囲いを失って部屋中に散らばった風船たちを集めて、結び目をほどき、しぼませるという作業だ。
なぜ割らずにこんな地味な作業をするのかといえば、風船の数をかぞえたかったからである。ふくらんだままではかぞえにくいこと極まりない。
今日の実験をした結果、同じくらいの数の風船をふくらませれば、当日も部屋が風船でいっぱいになることがわかっていた。だから、今日ふくらませた風船の数が知りたかったのである。
風船をふくらませるには結構なエネルギーを使うので、必要以上の風船をふくらますことはしたくなかったのである。
3分の2くらいしぼませたところで、だいたい150個くらいであることがわかった。
それがわかれば、もういちいち結び目をほどく必要もない。割ってしまえばいいのだ。
ストレス解消だーっとばかりにはりきって割ったが、それが結構大きな音がする上に、部屋中にひびいてかなりうるさく、
しかも破片が部屋中に散らばり、それを集めるのが大変だった。
最後までどたばたしたが、なんとか一日を終えることができた。
手伝ってくれたみなさま、本当に感謝です。

問題解決

扇風機もガスも使えない。ここまで無理やり突っ走ってきたけど、思いがけないところでトラブルに巻き込まれた。
問題をもう一度整理。私が気になっているのは、バルーンの部屋の中でバルーンが下にたまってしまい、
部屋の上の空間がからっぽになってしまっていることだった。
つまり、上の空間に風船を持ってこれればなんとか問題解決である。


そこでバルーンに糸をつけたものを3つほどつくり、それをまとめて部屋のかどにぶらさげてみた。
あまり期待はしていなかったのだが、以外なことにそれがなかなかいい飾りものになった。かなり単純なことだったけど、なにもない空間よりはだいぶましになった。思っていたほど、ちゃちな感じでもなかった。
それを部屋のそれぞれのかどにつけることにして、風船の大きさや糸の長さもかえてつけてみると、
結構よいものができるのではないか、と自己満足。なんちゃってデザイン。
「部屋の上の空間をうめる」という問題はひとまずこれで解決した。(させたとも言う)

参考にしたもの

この企画を思いついたきっかけとなったもの。

まず、先生に進められて見た「you tubu」の映像である。
その中に「部屋中を紫のバルーンで埋め尽くし、それを男の人が孫悟空のニョイ俸のようなもので
わりまくる」という映像があった。その映像ではもちろんヘリウムガスも使用されて、文字通りそこらじゅうバルーンなのである。
結局男の人は風船の数に勝てず、しばらくわったあとあきらめて戻ってくるという映像なのだが、
これはなかなか実現できず、しかもおもしろそうな遊びである。やってみたいと思う人は多そうだ。


そしてもう一つ。同じく「部屋中に転がした黄色いバルーンの中にブルドックをはなし、大興奮で風船と遊んでいる
ところを人間が見て笑っている」映像。実際は犬だけがクローズアップで撮影されてて、人間は笑い声しか登場しない。
その犬がバルーンのかたまりに突っ込むとバルーンがぶわっと飛び散ったり、ひとつのバルーンを
追いかけてその勢いで壁に激突したりするのがとてもおもしろく印象に残った。
この映像ではヘリウムガスは使われていない。床に大量のバルーンが散らばっているだけ。
人ならバルーンに囲まれている感じはしないと思うが、犬の目線で見ればそこらじゅうバルーンにみえるのだろう。




それから「パッチ・アダムス」
この映画に中に友達のバースデイを祝うシーンがある。
部屋中がバルーンで埋め尽くされており、祝われる方はそうとは知らずに部屋のドアをあけると
バルーンだらけの部屋の中で声だけ聞こえる。バルーンをかきわけて部屋の奥に進むと
たくさんの友人が「ハッピーバースデイ!」とお祝いしてくれる、というもの。かきわけなくては進めないほどのバルーンに囲まれる。
そんな体験は一生に一度できるかできないかだ。ぜひやってみたい。
これはヘリウムガス使用。


これらの映像を参考に今回の企画を思いついたわけである。
「you tubu」の映像に共通するのは風船の色が統一されていること。人間は紫。犬は黄色。
1色だと結構な圧迫感がある。
「パッチ・アダムス」ではお祝いのシーンなので色とりどりの風船が使われている。


今回はバルーンの色を白黒の2色に統一してやってみることにした。
見る人の目にはどう映るんだろうか。

ヘリウムガス

扇風機の実験が失敗に終わり、次はどうしようかと考える。
中に人が入って動いていればバルーンも動くので、常に誰か人が入って動いている・・など。
あまりよい企画は思いつかず。
先生に相談した結果、「ヘリウムガス」を調べてみることにした。

ヘリウムガスは風船を浮かせるためのガス。これが使えたら今までの悩みも一気に解決!

しかし。材料を探しているときに見かけた市販されているものは全部アルミの風船をふくらませる用。
「ゴム風船をふくらませるのには適していません」としっかり書いてあり、これでやってみようかなーと
企てていた私の考えもすぐに打ち砕かれる。

私がふくらませたいのはゴム風船である。お店の人に聞くと、ゴム風船をふくらませるヘリウムガスは業者に頼んで
ボンベをかしていただかなくてはならないらしい。

そんな時間はない・・・。発注して、届いて、実験して、本番をむかえる。
ことはできなさそうである。だから、あきらめていた。
そのヘリウムガスに再挑戦。


まずネットで検索してみる。すると何件か見つかったものの届くのに時間がかかったり、お金がかかったり、
非現実的なものが多数。やっぱりちょっと難しいようだ。
もっと早くから実験を始めていればよかったのに、本番2日前に発見してももう遅いのである。反省。