ダンボール板をアートな作品にする!?

クラフトテープを確保し、白と黒の工作用紙を見つけて10枚ずつ購入し、急いで学校に向かった。

昨日実験したときに、バルーンをふくらますのに予想外にエネルギーが必要なこと、私が持っていたペンシルバルーンをふくらますようの小さなポンプではまるで役にたたないことがわかっていたので大きなポンプを人数分買い足して持っていた。
テープと工作用紙とポンプ。結構な荷物である。


ようやく学校に到着。
当初、作業を始める予定だった時間から大幅に遅れて、作業をスタートすることになった。しかもうまくいくかもわからない。
闇の中手探りの状態で一人で進もうとしていたところだったが、先生に助けてもらって、まずはダンボールをテープでくるむことから始めた。
どんなものをつくりたいのか説明をしていたときに、紙をまるく切りぬき、それをまた貼り付ける作業はめんどうだし、時間もなさそうだと思いついた。
それならテープで模様をつくればいい。テープを四角(□■)に切って、それを点々とつなげていけば、模様になるのでは・・・。
そこまで一瞬で考えた。次の瞬間にはそうすることに決めていた。(使われなかった工作用紙たちは後日きちんと返品されましたとさ)
私には塗装よりも模造紙よりもドット柄よりもいいアイディアに思えたので、興奮して説明したのだがあまりうまく伝えられなかった。
それでもイメージは私の頭の中にわりとしっかり浮かんできていたので、やる気が出てきた。



私の用意したダンボールには、ダブルとシングルの2種類があり、それぞれに番号を書いて組み立てやすいようにした。
白いテープでくるむダンボールがダブル5枚、シングル5枚、黒いテープでくるむものがダブル5枚、シングル5枚。計20枚のダンボールができあがる予定だった。しかし、ダンボール1枚は90cm×90cmの大きさである。ただテープを貼る作業とはいえ、大きいのでやりにくい。
その作業を手伝ってやってもらい、私はあまったダンボールで補強用の板をつくった。
ただ貼りあわせているだけではふにゃふにゃしてしまい、箱として立たないと思ったので貼りあわせてあるつなぎ目を補強することにしたのだ。



余談だが、昔遊んだ紙の着せ替え人形には必ず「くびのほきょう」というものがついていた。首を補強するための小さな細長い紙なのだが、それを人形の首の裏側の貼っておかないと使っているうちにすぐ首がふにゃふにゃして切れてしまい、顔と胴体がばらばらになってしまうのある。
私はめんどうくさがって、その「くびのほきょう」をよく無視していたため、無残な姿になってしまった人形がたくさんあった。いま思うとそれがあるのとないのとでは丈夫度に大きな差があった。紙の着せ替え人形を開発したおもちゃ会社もよく考えたと思う。たった1枚の小さな紙を貼るだけなのに人形の寿命をのばすことができるのである!
ちょっとおおげさだが、とにかく私は補強することは大切だと思っていたので、今回もなるべく最小限にきれいに補強できるようにしたいと考えていた。


前の日にダンボールの家の小さな模型を紙で作り、そこにどのような補強板をつくるのかも書いてあったので、それを見ながら板を切った。
我ながら面倒な形にしたものである。
「+」の形、「−」の形、「−」を2枚ずらして張り合わせた形の補強板がいくつかできあがり、それも周りを白と黒のテープでくるんだ。

それからダンボールの部屋をたたせるために4角に置くおもし用の補強板も作った。おもしはペットボトルに水をいれたものにすることにして、それを置くものがないといけない。
1枚の板をたてに半分に折り、それぞれのかどにくっつくようにする。それを今度は横に折って立つようにしてその上にペットボトルを置こうと考えていた。ちゃちなものだったが、ささえるものもダンボールだしなんとかもちそうだ。


そこまで作り終えると、先ほど手伝ってもらったダンボール板をテープでくるんでもらったものができあがっていた。一人でやっていたら倍の時間がかかっていたところだった。またしても感謝である。
私のやろうとしていることは、とにかく面積が大きく、やっていることも先が見えないうえに時間がかかる。しかし時間がない。間に合わなくなりそうなのは自分のせいだったので手伝ってもらうのが申し訳なかったが、やはり協力してもらえるということはとてもありがたかった。一人であがいてもしょうがなくなったときは助けを求めよ。と、悟る。



今度はテープでくるんだダンボールに模様をつける。
先ほど思いついたアイディアを実践する時だ。板を番号順に並べて、テープを切り点々と並べていった。点々のラインが箱を1周するように模様をつくりたかったので順番を間違えないように気をつかった。立てたときにつながらなかったら意味がないからだ。
これはなかなか面白い作業だった。ラインをまっすぐではなくふにゃふにゃ曲がらせてみたり、ふたまたに分かれさせたりして遊びながら貼っていった。今回の作業の中で1番楽しかったかもしれない。
それを終えて、先生にみてもらうとテープを2重に貼ったらどうかと言われた。私は白いテープの板には白いテープでラインを作り、黒は黒いテープを使っていたが、その反対の色を少しずらして重ねて貼るというわけだ。白い四角(□)の上にに黒い四角(■)を貼ってみるとラインがはっきりみえるようになった。その逆も同じ。先生、ナイスアイディアいただきました。


ここまで作業を終えたところで、一応ダンボールの部屋の材料をそろえることができた。時間ぎりぎりだったがなんとか立てるだけところまで持っていくことができてひとまず安心した。しかし、この日は本当はダンボールの方はさっさと終わらせてパフォーマンスのことを考えるはずだった。ところが予想外にダンボールの装飾がトラブルにあい、それについては何一つ考えることができなかったのである。